自分に自信が持てません。
いつも劣等感でいっぱいです。
ポジティブになる方法があれば知りたいです。
人間は、生まれた時から集団の中で生きていくため、どうしても他人と自分を比較してしまう生き物です。
そこで生まれる感情が『劣等感』。
この感情をうまく生かすことが出来れば、自分の成長につなげることが出来ます。
反対に、劣等感に飲まれてしまうと、常に悩みを抱えてしまう可能性もあるでしょう。
今回は、アドラー心理学から考える、劣等感の悩みを解決する方法をお伝えしていきたいと思います:)
劣等感は自分で作り出したもの|うつ病になったおじさん(私)の話
私は、仕事で精神を病んでしまい、しばらく休職していた経験があります。
即戦力として期待され入社した会社ですが、変わればやり方もシステムも全く違います。
慣れるまではと毎日一生懸命だったのですが、しばらくしてミスがでてくると、できない自分に苛立ち始めます。
『なれないうちは仕方がないよ。』
周りはそう言ってくれますが、完璧主義な私は、毎日まわりと自分を比較して、強烈な劣等感を感じるようになりました。
ミスをしちゃいけない。
迷惑をかけちゃいけない。
全部自分で解決しなきゃ。
完璧な自分を演じなければ。
すべてに神経質になり、急激な緊張感に襲われ始めました。
そして、だんだんと被害妄想をするようになります。
「出来ないやつが入社してきたぞ。」
いわれてもいないその評価を、自分で勝手に思い込むようになると、周囲全員がそういう目で自分を見ている気がしてきたんです。
できない自分を隠すために、周囲とのコミュニケーションも避けるようになり、業務効率はさらに悪化。
完全に悪い精神ループに落ちた私は、劣等感に飲み込まれ、ついに精神の限界を迎えることになりました。
ここでの問題点は、完璧である自分を演じようとしてしまった点です。
自分が出来ないことを素直に認め、周りに教えや助けを求めていれば、出来なかった業務や課題も普通に解決できていたかもしれません。
劣等感というのは、『客観的に見た事実』ではなく、『主観的に生み出した解釈』でしかありません。
私の場合は、出来ないことが恥ずかしいと思い、それを隠す方法として、理想の自分を演じようとしてしまいました。
その結果、理想とあまりにかけ離れた自分になってしまい、精神的に追い込まれて倒れてしまったのです。
あなたの身の回りでも、このような劣等感から生まれる防衛本能があるのではなうでしょうか。
例えば、
学歴が低いから、他のひと人よりも仕事が出来ない。
という人の場合、
学歴さえあればわたしもできるはずだけど、学歴がないから他の人に負けるのは仕方がない。
と言い訳をしていることになります。
でも、その劣等感を、
学歴がない分、人の何倍も勉強しなければいけない。
そうすれば成功できるかもしれない。
というモチベーションに出来ていれば、あなたの成長は素晴らしいものになります。
このように、劣等感というのは、考え方次第で、あなたの見方にも敵にもなるのです。
自慢は劣等感の現れ|コンプレックスを隠すための自慢
過去の栄光を自慢する。
知識自慢をする。
地位の高い人や、有名な人との交友を自慢する。
高価なブランドや指輪をわかりやすく身に着けている。
人間は、いろんな角度から自慢をしたがります。
この自慢という行為ですが、実は劣等感からくる行為なんです。
自慢をするのは、自分を誇示する(大げさに見せる)ためにわざわざ主張をしていることになります。
自分が感じているコンプレックスを隠すために、関連する自慢話で自分を認めてもらおうとしているんです。
また、不幸自慢なんかも一緒です。
自分の生い立ちや、波乱な出来事を自慢し、慰めの声をかけても
あなたにはわたしの気持ちなんてわからないでしょう。
と、やさしく気を使ってくれた友だちの手を払う人です。
これも、自分の不幸は特別、そして悲劇のヒロインとして、一番に立とうとします。
社会的には、弱者というのは武器になるので、弱い立場を利用して相手の良心を支配しようとします。
しかし、弱者を利用して、不幸な自分を強く念じてしまうと、ますます劣等感に溺れてしまい、より不幸な人生になってしまいます。
劣等感をうまく味方につける方法
では、こういった劣等感を味方につけて、人生を上手に向上させていくにはどうしたらいいんでしょうか。
今回は、その考え方を3つご紹介します。
他人は、あなたのことをそれほど見ていないと理解しよう
人間は、本能で『自分を優位な立場にしたい!』と思う気持ちを持っています。
しかし、その追及を他者との比較で考えてはいけません。
比較をした時点で、どうしても『勝者』と『敗者』が生まれます。
比較がクセついてしまうと、すべての人を勝ち負けで判断してしまいます。
その結果、 全員が敵、 常に競争する世界になってしまう為、優劣でしか人を見れなくなってしまうんです。
しかし、優劣というのは、その人が作り上げた、その人にしか見えていない競争の世界です。
他の人は、相手が勝手に作り上げた優劣コンテストなんて、なんとも思っていません。
あなたがもし、自分がどのように思われているかきにしているなら、それはあなただけが感じている劣等感なんです。
みんなそれぞれ、自分の価値観で自分の世界を生きています。
もし、誰かと比較して、劣等感を解消するために自慢しそうになったら、本当にその張り合いは必要なのか冷静になって考えてみましょう。
自慢話で敵をつくるよりも、自分を高めるモチベーションにすることのほうがよっぽど人生がプラスにすることにつながるのですから。
自分の間違いや失敗を、勝ち負けで考えない
自分の意見が相手と異なっていた時、自分の正しさを証明しようと反論したことは無いでしょうか。
私も、仕事の会議などで、こういった争いに巻き込まれてしまうことが多々あります。
しかし、会議の目的は、課題に対してアイデアや解決策を見出すためのものです。
主張の言い争いは、相手をいかに論破するかという勝ち負けが目的になるので、 会議の場では無意味な行為です。
これも、物事を勝ち負けで判断してしまう心理から生まれる現象です。
意見やアイデアは、100人いたら100通りあります。
大きく的外れな意見出ない限りは、どのアイデアが正解で、間違いというものはありません。
しかし、 自分の意見を否定されたとたん、勝ち負け論争に発展してしまうという人は、結構おおいように感じます。
そうならないために心得ておくべきことは、
『誤ったことを訂正する』
『謝罪する』
『争いから降りる』
この3つの行為が『負け』ではないということを理解しましょう。
スポーツやゲームであれば、勝ち負けで決着をつけることがゴールです。
でも、話し合いの場では、ゴールは勝ち負けではなく、課題を解決することです。
非を認めることに勝敗なんてありません。
しかし、どんなにあなたがそのことに注意しても、勝負の土俵に上げようとしてくる人は必ず存在します。
そのような状況に巻き込まれたら、あなたが意識することは2つ。
①あなたが相手の土俵に上がらないように冷静になること。
②本来の目的(ゴール)が何か、相手に気が付かせること。
この2つをしっかり意識して、不毛な言い争いは避けるようにしましょう。
また、あなた自身も、目的を忘れて論破に夢中にならないように注意しましょう。
誰かの期待に応えられないのは、あなたのせいではない
私には、性同一性障害の友人がいます。
彼は、女性の体で生まれてきましたが、心は生まれた時から男性として生きてきました。
男性として生活したいのに、スカートや女の子っぽい服ばかり着させられ、女性としていきなさいという生活を強いられます。
家族の理想にこたえるため、本当は男として生きたい自分を押し殺し、女の子のような生活をすることを頑張っていましたが、毎日まったく楽しくなかったと語っていました。
そんな彼は、大学に進学後、親の為ではなく自分のために人生を豊かにしたいと強く感じ、男性になる決意をします。
現在は、見た目も戸籍も男性になっているのですが、家族からはしばらく嫌悪感を持たれ、反対されていたそうです。
それでも、自由に、昔よりも生き生きとしている彼をみて、家族も受け入れ始めています。
もし彼が、親の為の人生を歩んでいたならば、きっと今でも女性としてつらい毎日を過ごしていたと思います。
でも彼は、誰かの為ではなく、自分のために生きる決断をしました。
誰かのために一生懸命になることが、自分のためになっていることとは限りません。
あなたの人生は、他の人のためにあるものではなく、あなた自身のためにあるものです。
他者が抱く『理想のあなた』の期待をなぞって生きてくことは、他社の人生を生きていくということです。
他人の理想ではなく、あなたが心から思う利用とは何か。
その真意を突き詰めていけば、誰かの期待に応えられないという劣等感になやまず、自分のために行動できるはずです。
自分が納得できる人生でなければ、死ぬ時に後悔する
すこし脱線した話をします。
『明石家さんま』さんが座右の銘にしているこの言葉をご存知でしょうか。
生きてるだけで丸儲け。
どんなつらいことがあっても、生きているだけで儲けもんだという名言ですが、さんまさんがこの言葉を掲げている理由をしっている方はすくないんじゃないでしょうか。
彼は20年程前、不運の事故で死んでいたかもしれないという体験をしています。
1995年、世界を震撼させた “日本航空123便墜落事故”。
乗員乗客は満席の524名。そのうち、生存者はたったの4名でした。
この事故で歌手の『坂本九』さんをはじめ、数多くの著名人が亡くなっています。
『明石家さんま』さんも、実はこの便に乗る予定だったのですが、たまたまテレビ収録が早く終わったため、この便をキャンセルし、一つ前の便に乗り換えたそうなんです。
もし、乗り換えを行わず、予定していた便に乗っていたら、彼もなくなっていたかもしれません。
もう一度生かされた人生、残された人生を最高に楽しみたい。
そしてコメディアンとして、泣いている人に笑ってもらいたい。
彼の座右の銘には、そういった思いが込められているといわれています。
その理由を知ったとき、自分が納得できる人生を選ばなければ、死ぬ時に後悔すると感じるようになりました。
それからというもの、何か大きな決断をしなくてはならない時、まわりと比べるのではなく、自分がワクワクするほうを選ぶようにしています。
自分の人生は、誰の為でもなく、自分のためにあるもの。
あなたの人生が最高かどうかは、まわりが評価するものではありません。
あなた自身が最高だと思うほうに進んでいけば、人生はきっとワクワクするはずです:)
すこしずつでも、自分の劣等感を上手にプラスにできるよう意識してみてください。
そうすれば、人生は自然とワクワクするものになっていくはずですから:)
以上、アドラー心理学から学ぶ、劣等感を克服する方法についてまとめでした!