ダイエットにはカロリー制限が大事!
脂肪を取りすぎると太る!
ジョギングは健康にいい!
あなたもどこかで耳にしたことがあるこの常識、実はすべてウソだったとしたら?
現代では、どんな情報を誰でも簡単に知ることが出来るようになりました。
しかし、正しい情報を正しく利用入手しなければ、あなたが損をしてしまう結果になります。
今回は、現代において大切な情報リテラシー力を高めるために必要な考え方についてお伝えしていきたいと思います。
情報リテラシーとは?

そもそもリテラシーという横文字がなんだかよくわからないですよね。
ネットで調べてみると、下記のような説明になっています。
リテラシー(英:Literacy)
引用:コトバンクより抜粋
1 読み書き能力。また、与えられた材料から必要な情報を引き出し、活用する能力。応用力。
2 コンピューターについての知識および利用能力。→コンピューターリテラシー
3 情報機器を利用して、膨大な情報の中から必要な情報を抜き出し、活用する能力。→情報リテラシー
ざっくり簡単にお伝えすると、
正しく理解し、正しく利用できる能力
ということになります。
情報であれば、その正誤真意を正しく理解し、応用できる力のことです。
情報が溢れかえっているネット社会では、ウソの情報もたくさん存在します。
そのような情報に騙され、損をしない為にも、情報リテラシー力を高めることは大切だといえます。
情報リテラシー度チェックをしてみよう!

まず、あなたがどれくらい正しい情報を知っているか、テストしてみましょう。
最近話題の『医者が教える食事術』より、正しい健康知識に関する問題を抜粋してみました。
すべて〇か✕の二択で答えてください。
全問正解であれば、かなり情報リテラシーが高いです!
1つでもまちがっていた場合は、ウソの情報に騙されやすい人かもしれません。
『正しい健康知識クイズ!』
①低脂肪の食品は体にいい
②健康のため、1日30品目は摂取する
③甘酒や漬物は体にいい
④お酢は健康にいいので、飲みやすいものを選ぶ
⑤バランスのいい食事が大切
⑥チョコやナッツはニキビの原因
⑦アイスはラクトアイスであれば健康的
⑧スーパーフードはスーパー健康食
⑨漢方や天然由来の成分は安全だ
⑩ダイエットすると筋肉が落ちる
さて、あなたの正解率はどのくらいだったでしょうか。
上記の健康法については、だれもが一度は耳にしたことがある健康法だと思います。
私たちが思い込んでいた『常識』というのは、実はすでに間違っている情報だということが多いんです。
しかし、なぜ私たちが正しいとおもっている情報が、こんなにも間違いだけなのでしょうか。
まずはその理由について考えてみましょう。
※『食事術』について更に深く知りたい方は、☟下記をご参照ください。
※医者が教える食事術 最強の教科書――20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方68
※医者が教える食事術2 実践バイブル 20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方70
人は多数派の意見に流される

日本は今や健康ブーム。
テレビ番組でも、健康知識や正しい医療を取り上げた番組も多いですよね。
調査会社が行った、年齢別の健康意識調査を見てみても、年齢問わず多くの人が健康を意識しているといった結果になりました。
『年齢別 健康意識率』

また、意識していることについては、『睡眠』『食事』『カロリー摂取量』などの回答が多いようです。
でも、ここで考えなければいけないのが、なぜそれが健康のためになるかという根拠の部分です。
『睡眠』をしっかりとることがどうして健康につながるの?
『カロリー摂取量』の制限どうして健康に繋がるの?
ほとんどの人は、具体的な根拠をいうことができないでしょう。
そのかわりに出てくる言葉が、
『だって、常識でしょ?』
『テレビで言ってたから間違いないよ!』
『みんなそう言ってるよ!』
このように、メディアや多数派の意見をそのまま受け入れてしまっていることが多いんです。
人間は、『ブーム』や大多数の人が賛同していることに対して、無意識にのっかってしまいます。
脳科学では、これを『認知負荷』を下げると読んでいます。
『認知負荷』を下げる
人間が考えるときに脳にかかるエネルギー負担のこと。つまり、認知負荷を下げるということは、できるだけ考えることへの手間を削減し、脳エネルギーの消費を抑える心理。
この心理を根拠づける有名な心理学の実験で、ソロモン・アッシュ博士の『同調圧力の実験』というものがあります。
『同調圧力の実験』
まず、数人の被験者に問題を一人で解いてもらいます。
その後、グループで同じ問題を解いてもらうのですが、そのメンバーにサクラをしこんでわざと間違った回答をしてもらい、解答がどれほど他のひとに左右されてしまうかを調べた実験です。
その結果、一人で解いてもらったときの正答率が95%だったのに対し、グループにして間違い解答をするサクラを仕込んだ時は、65%にまで正答率が下がりました。
つまり、約30%の被験者が、他の人に考えをを流されてしまったということになります。
人間は全く知らない他人であっても、ある程度の数がそろっていればしたがってしまうということがわかった実験です。
いくらウソの情報であっても、メディアや周囲の人たちが正しいといえば、あなたも簡単にウソの情報を信じてしまう可能性があるということです。
『ジョギング健康説』はウソなのか

最近、『ジョギング健康説』は実はウソだったという記事をよく目にします。
昔から健康にいいとされた早朝ランニングや、ダイエットにすすめられていたジョギングですが、じつは様々な検証から効果がないと証明されたとのこと。
様々なメディアが報じたこの情報を聞いて、あなたはどうおもうでしょうか。
「なるほど、ジョギングは身体に悪いのか。」
そう思って終わってしまった人は、まわりの情報に流されている危険性があります。
今回言われている『ジョギング』のデメリットは、下記のような点です。
・有酸素運動は長時間行うと体が酸化(老化)する
・ジョギングのカロリー消費量は意外とすくない
・せっかくの筋肉量を減らしてしまう
このポイントだけをピックアップして、「ランニングは健康に悪い!」といわれれば、
ランニング = 健康に悪い運動
と思い込んでしまうでしょう。
しかし、下記の情報が意図的に隠されていたとしたらどうでしょうか。
・緩やかなジョギングやウォーキングは足の筋力維持ができる
・日の光を浴びることで、脳を元気にするセロトニンが分泌され、やる気と元気がみなぎる
・適度な有酸素運動は、身体の細胞を活性化してくれる
高齢者の方なんかは、ペースがゆっくりのジョギングやウォーキングであれば、いつまでも自分の足で歩くための筋力維持ができます。
また、毎朝モチベーションを上げたいビジネスマンは、朝の太陽をあびながら行う運動は自分の気持ちを高めることに繋がります。
とくに、うつ病の人にとっては、朝日を浴びた軽度の運動は、自尊心を高め、前向きな気持ちになれるので、治療法にも勧められているんです。
つまり、ジョギングをすることは、すべての人にとって害を及ぼすのではなく、やり方をしっかり理解していれば効果的な人もいるということになります。
また、食品を取り扱った情報では、ウラ側に企業の不都合な情報がかくれている場合があります。
例えば、
『○○を食べるとやせる!』
という情報がテレビで紹介されたとたん、スーパーの陳列棚からなくなっていたという経験はないでしょうか。
『食べれば痩せる』という甘い蜜の情報は、手間を嫌う人間の脳がすぐにとびつくような心理です。
しかし、これがモノを売る為に仕組まれた企業のマーケティング戦略だったとすると、見え方も少し変わってきますよね。
企業は、『利益を上げること』が仕事です。
その為に、あの手この手で売れる仕組みを考えます。
在庫管理に保存料を使う必要がある場合も、
「腐ったものを消費者が口にしないようにするためです!」
というでしょう。
正しい情報を理解するために必要なのは、
真相を読み解く力です。
ウラにかくされた真相に目を向け、その情報の真意を見抜くことを心がけることが大切です。
情報リテラシーを高めるための心得

では、正しく情報を読み解くためにはどうしたらいいのでしょうか。
それは、最初に聞いた情報だけで判断しない『疑う意思』を持つことです。
具体的にどのような考え方が必要なのかを説明していきます。
情報には『肯定』と『否定』どちらも存在すると心得る

情報の信用度を高めるために、論文や研究結果がよく使われます。
しかし、一つの研究には、
『Aは正しい!』
という研究もあれば、
『Aは間違い!』
という研究結果も必ず存在します。
理由は、そもそも調査する人の専門分野や視点が異なるということです。
そのどちらを利用するかで、情報の真意というものが左右されます。
例えば、先ほどのジョギングの例をあげると、メディアとしては視聴数を上げるために興味を引くニュースを書こうとしますよね。
・日本人の『健康意識』を揺さぶる内容にしよう。
・『損をしたくない!』という人間の欲を満たす内容にしよう。
この心理につけこむテーマを探し、都合のいい論文だけを引っ張り出します。
その結果、視聴者の目に届くときには、根拠のある立派な『ジョギング悪説』が出来上がるのです。
つまり、メディアの情報にはライターの主観が混ざっているということを忘れてはいけません。
気になる情報があったら、なるべく『賛成』と『反対』二つの視点から考えらえる情報を探し、真相を自分の頭で考えてみることを意識しましょう。
エビデンス(証拠)は絶対正しいわけではない

すべてのエビデンスは100%正しいというわけではありません。
研究や実験は、一つのテーマをもとに行われています。
そこでだされた結果というのは、あくまで一面的なもの。
すべての事に当てはまるわけではないということです。
例えば、とある大学の研究で、マウスを使った『糖質制限』の実験が行われました。
その結果、『糖質制限』を行ったマウスは老化の進行を早めたという事実が判明したんです。
この研究結果により、『糖質制限』は人間の老化を速める間違った健康法だということが世に知れ渡るようになりました。
しかし、ここで勘違いしてはいけないのが、この実験の対象が『マウス』だったという点です。
マウスは、穀物である種子を主食として生きてきた生き物です。
本来マウスが必要とする栄養は、穀物食( 低脂質・低たんぱく質 )です。
そこに、反対の栄養である糖質制限食( 高脂質・高たんぱく質 )を与え続ければ、身体に異常が生じる可能性は高い。
つまり、
ネズミに害がある栄養素
≠
人間に害がある栄養素
ということなんです。
犬や猫には毒でも、人間にとっては健康的な食べ物があるように、マウスに害があることが人間にも害があるとは限りません。
エビデンスというのは、使い方によっては間違った捉え方をされてしまう可能性があるということを頭の片隅に置いておく必要があるでしょう。
『いい評価』があなたの『良い』とは限らない

日本は、口コミ信者が多い民族です。
日本のTwitterの利用者は、世界を見ても4500万人。
つぶやかれているツイートの1/4は日本語であるくらい、日本の利用者数は圧倒的です。
このことかわもわかるように、日本人は『他者の意見』に大きな信頼を置く人が多いんです。
また、私たちが普段利用するECサイトや『ぐるなび』などの比較サイトで重要視されるのが、星の数。
高評価のインパクトというのは、たとえそれがサクラだらけの仕組まれた評価でも、大きく消費者行動に影響を及ぼします。
いわゆる『ステマ』に近い情報でも、人は『他者評価』にながされるということです。
また、人の脳は何かを決定する時はものすごく熟考しますが、実際に買ったあとは意外とそのガードを緩めてしまうものです。
よくあるのが、
『動画見放題!』
最初の一か月は無料!
※期間終了後は自動的に有料になります。
このようなサービスも、その心理を使った商売ですね。
「無料で入会して、あとで解約すればいっか!」
と思い申し込みますが、そのまま解約を忘れて料金を払い続けてしまう人も多いと思います。
また、限定商品ですといわれ、その時はどうしても欲しいと思っていたのに、買ってからほとんど使っていないという人もいるのではないでそうか。
人の脳は、自分で思っているよりも優柔不断で、誰かが仕掛けた意図に左右されていることが多いんです。
自分にとってその情報や商品は本当に有益なのか、何かを決断する時は冷静に客観視する意思が必要です。
どんなに冷静で賢い人も『脳』は騙だまれてしまう

どんな有鬚な人でも、脳に騙されてしまうことはたくさんあります。
例えば、出来るビジネスマンは年収も高く、幸福度が高いと思われがちですが、実はそうでもないんです。
大金を稼ぐ人の周囲には、同じように稼ぐ人がいます。
また、それ以上に稼ぐ人と仕事をすることも多いので、自分の年収が高いなんて思わないんです。
反対に、もっと稼げるようにならなくてはとプレッシャーに押しつぶされてしまうこともあります。
これをバネにしてさらに頑張れる人であれば幸福度は高まるかもしれません。
しかし、全力で頑張った結果、ここが限界だとかんじる人からすれば、これ以上の労働は苦行でしかありません。
そうなると、脳は冷静な判断が出来なくなり、より稼げるという怪しい話に手を付けて騙されてしまうお金持ちも少なくないのです。
どんなに優秀な人でも、おかれた環境によっては騙される脳になってしまう可能性があるんです。
今の時代、『情報弱者』が損をしてしまうような心理トラップがたくさん存在します。
でも、人間は『深く考えられる生き物』です。
無意識に損してしまうことを避けるためにも、まずは今回お伝えした『正しい情報を知る意識』を大切にしてみてくださいね。
ではでは!